サイベルカス

あたみん

山尾悠子『飛ぶ孔雀』について――消退・ノスタルジア・相転移点――

『飛ぶ孔雀』が『不燃性について』に続くのに象徴されるように、というか本編で描かれていることだが、山尾悠子は「火を継ぐ」ことを契機として登場人物が火のモチーフのあるあらゆる道具を対象化したときに火種のようなものが喪われていくような世界を描い…

遡行ーー関係がうまれる瞬間の手ざわりを拾いあつめること(松家仁之『光の犬』を読んで書く)

2018年1月から10月までの現代日本の文学賞受賞作を媒介に、書くことと向きあう『私的文芸年鑑』のために執筆された文章です。 atami.booth.pm 「わたしが読む」という運動を介して、この時代の小説がもつ「手ざわり」だけでも書き残すことはできないか、そし…

おらおらで、さ。(第158回芥川賞 若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』を読んで書く)

2018年1月から10月までの現代日本の文学賞受賞作を読んで書くことをテーマにした『私的文芸年鑑』のために執筆された文章です。 「わたしが読む」という運動を介して、この時代の小説がもつ「手ざわり」だけでも書き残すことはできないか、そしてそれを「書…

パフォーマンス 《差異の河原/re:write=re:live/進化の躍動》

批評パフォーマンス 《差異の河原/re:write=re:live/進化の躍動》 【映像】https://www.youtube.com/watch?v=uxsOzG-10wA … 撮影・映像構成 中野稜允 【日時】1/30 20:00〜 【場所】DESK/okumura(東京都中央区東日本橋3-1-8) 批評家はーー他者に課したいはず…

百合小説誌「あめあがり」創刊

────芸術が境界を対象化しない逸脱であるように、百合とは、反復されうる様式ではなく、百合を対象化しない逸脱として複雑な関係を築くことである。 2015年11月23日、東京流通センターにて行われる文学フリマで、小説的なものを中心とした多形式創作誌「あめ…

展示「オントロジカル・スニップ」を“見て”――外部に対して頑強な〈失礼な作品〉についての試論

合同展「オントロジカル・スニップ」を見てきた。 まず、Webサイトに書かれた展示の概要は以下のとおり “ 芸術作品における「個性」あるいは「作家性」とは何だろうか。それが如何なるものであるかという問いも然ることながら、それを如何にして表すことがで…

はじめました

寄稿予定がなく、読んでもらいたい文章を載せます

Profile and Links

2020- 寄稿やジャグリングのご依頼はatami97531@yahoo.co.jp迄 webマガジン「ユニコーンはここにいる」にてメイクとジェンダーについてのエッセイ「なみうちセクシュアリテ」を連載中 ユニコーンはここにいる|note 日記:あたみ りょう|note ジャグリング:…